Untitled

Jun 24
Permalink

「食糧安全保障」などという政策も、安全保障の概念を取り違えたものだ。かつて日本軍は、第二次大戦で軍事費を兵器だけに集中した結果、兵站が途絶えて100万人以上の兵士を餓死させた。ボトルネックになっているエネルギーを無視して穀物だけを自給しても、安全保障にはならないのだ。日本政府は、敗戦の教訓を何も学んでいないのだろうか。

食糧危機に対応するために必要なのは、不可能な「自給自足」をめざすことではなく、食糧価格を安定させるためのリスク分散である。その基本は、供給源を特定の国に依存しないことだ。農産物の輸入を自由化して、なるべく多くの国から食糧を輸入し、一国で輸出制限や値上げが行なわれても他から輸入できるようにする必要がある。輸入を規制し、供給を日本国内だけに依存する「自給政策」は、食糧危機を増幅する最悪の国家戦略である。